新千歳〜富良野

 早朝の羽田空港、カウンターで警備員との長いやり取りの末、ようやく自転車を預けて搭乗口へ。いつから、こんなに荷物チェックが面倒になったのだろう。サドルバッグの中を全部出させられた。入れ直すのが大変なんだけど。ゴムのりやパンク修理剤もダメらしい。糊付きパッチしか持ってなかったので、問題なかったけど。

 腹減った。そういえば朝飯食ってなかった。あまりにも空腹過ぎて目眩がするというか、身体が動かない。でも、店が開くのは6時。食べる時間がない。売店でサンドとジュース買ってお腹に流し込み、飛行機へ。

 機内アナウンスで、札幌周辺は視界不良のため、旭川、または羽田に引き返す可能性があるのでご了承下さい。とか言ってるけど、了承出来るか!とか心の中で思っているうちに離陸。関東はいい天気なのに。朝が早かったせいか、いつの間にか眠っていた・・・

 飛行機が若干揺れ、目が覚める。上にも下にも雲がいっぱい。降下するとのアナウンスがあり、着陸出来そうな雰囲気。・・・どんどん高度は下がるが全然地上の景色が見えない。見えた、と思った直後に着陸。良かった、羽田に引き返す事がなくて。

 自転車を受け取り、組み立てて問題ない事を確認。さて、走るか。その時、突然爆音が。何かと思ったら、戦闘機が離陸していった。歩道や側道を駆使して新千歳空港を離脱。徒歩や自転車で空港を利用する人なんてほとんどいないから、全然考慮されてない。事前に調べておいてよかった。まずは今日の中間点、夕張方面へ。

 心配された雨は大丈夫なようだ。時折、パラパラと降る程度で、路面も完全に乾いている。由仁のコンビニで一休み。今回は荷物を袋に入れた状態でパッキングする事で雨対策としているため、ザックカバーは持ってない。なので、無防備だった財布をコンビニのレジ袋に入れて防水対策。まさか、これが最初で最後の補給になるとは、考えもしなかった。のどかな景色と道路の端を示す矢印を見ると、北海道に来たなあ、と思う。

 標高が高くなるに従い、徐々に雨が振り出す。夕張周辺は、さすがに夕張メロンの直売所がいっぱい。半分に切ったメロンを器代わりにしたソフトなんてモノまで。色々考えるなあ。道端に除雪車がおいてある。廃線になった大夕張鉄道の南大夕張駅跡らしい。正面から見ると、何だか強そうだ。

 国道452号線をさらに進むと雨が強くなってきた。トンネルを抜けると、路面は完全にウェット。全身ずぶ濡れ。雨具着てるから体が濡れて冷えることはないが、ある程度濡れると、もはやどうでもよくなってくる。30km毎に何か店を見つけて補給しようと思いながら走り続けるが、何もない。しまった、北海道の山間部は本当に何もないという事を忘れてた。対向車線にキタキツネ発見。止まって眺めていると、向こうもこちらを見ている。餌くれないのかあ、とか思っているんだろうか。餌やり禁止、などという事以前に、やる餌があったら自分が食べたい。

 何度も空腹に負けそうになりながらも、何とか最後の上りをこなし、あとは富良野まで下るだけ。標高が下がるに従い、雨は小降りに。富良野は路面が乾いてた。まだ14時30分。しまった、早く着き過ぎたかも。富良野駅周辺をぶらぶらし、コンビニで一息。やっと食べ物にありつけた。

 走行距離は142kmくらい。明日も午前中は雨らしい。あまり降らないと良いなあ。