4日目 鴨島から八幡浜まで

 今日も想定通りの雨。4日間連続で雨に降られるのか。上下雨具着て出発する。すでに身体中あちこち痛いけど、まだ走れる。毎日自転車で走るという非日常がだんだん日常に思えてくるから面白い。

 まずは予定していたコースを進むが、トラックが多くて走りにくい。川の北側の県道へ移ると、少しましになった。たまに止むことはあるけど、ほぼずっと降り続ける雨。止んだと思って雨具を脱いだら、しばらくするとまた降り出したりする。面倒なので、しばらく着たままにしよう。道の駅で休憩する度にグローブを絞るのがいつもの事になっている。道が狭くなると交通量が減って、景色を楽しみながら走れる。やっぱり、脇すれすれを通り抜けるトラックがいない方がサイクリングは楽しめる。

 川沿いを離れると道は上りに。勾配はきつくないけど、ここまでに600km以上走ってるので疲労がたまってペースは上がらない。フォームを何パターンか切り替えて、特定の場所に負担がかからないように気をつける。踏まないダンシングも、こんな時にはすごく役に立つ。境目トンネルを抜けると、ついに愛媛県

 相変わらずの雨の中の下り。とにかく慎重に走る。おかげで、ブレーキシューがどんどん減る。最近、新品に換えたばかりで良かった。下りきると海のそば。どことなく、潮の香りがする。それにしても寒い。いや、寒気を感じるという方が正しいのかも。これ以上無理して体調崩すより、ここで止めて輪行の方が良いのか。とりあえず、コンビニに入る。まだ走りたいという気持ちがある限りは諦めたくない。今止めたら、ずっと燻った気持ちを持ち続ける事になりそうだ。サイクリストにはお馴染みの、あの方法を使うか。食べ物とジュースと新聞を購入。もちろん、読むためではなくてジャージの下に挟むため。水分を吸ってくれるおかげでジャージか乾くし、風も防いでくれる。まだ行ける。

次の上りを無事に終えて、伊予市へ。この辺りで雨は止み、少し空が明るくなってきた。久しぶりに雨具を脱ぎ、身軽になって走る。やっぱり、この方が気持ちいい。海沿いを走っていると、だんだん日が続いてくる。何度かアップダウンを繰り返すと、長いトンネルの連続する区間に。抜けると空は真っ黒だった。しばらく走ると降ってきた。やはり今日も最後は雨か。雨に始まり、雨に終わる一日。急いで雨具を着る。真っ暗な八幡浜に到着したのは19時前だった。走行時間の大半は雨という、つらい230kmだった。

 晩飯は、八幡浜名物のちゃんぽん。長崎ちゃんぽんと違ってスープはあっさり。具にじゃこてんが入っていたのが、地域らしさを感じた。

 明日はついに最終ステージの九州へ。終わりが見えてきた。脚は動かないけど、まだ走れるぞ。