青森へ

 北へ向かう旅も今日が最終日。被災地を巡った昨日までと違い、今日は新青森まで移動するだけ。疲れてなければ山越えする事も考えていたが、大人しく一番平坦な国道4号線経由を選択。

 走り始めてしばらくすると、左手に雪を頂いた山々が見えた。八甲田山かな。見るからに寒そうだ。冬用のウェアがないと、下りで凍えるな。それにしても、青森県の道路は舗装が悪い。亀裂や穴があちこちにあるので、走行ラインには気を使う。もちろん、脇を車が通るので、全部を避けられる訳ではないが。

 そのうち道は海沿いに。この辺りはホタテの養殖が盛んなようだ。あちこちにお店がある。せっかくなので道の駅に立ち寄り、ホタテ尽くしの定食を頂く。ホタテの刺身が美味い。しっかりとした歯ごたえがあり、甘みも十分。北海道で食べたのも美味しかったけど、負けてない。

 それにしても、日に日にペースが落ちてる。巡行速度は遅くなり、休憩時間は増えるばかり。すでに4日間で800km走ってるから、疲れてるのは仕方がない。海沿いの旧道を気持ち良く走っていたら、青森に到着。駅の脇にある青函連絡船を外から眺めていたら、何かの碑を発見。何だろう。津軽海峡冬景色って書いてある?と思った瞬間、スピーカーからジャジャジャジャーンと大音量でイントロが始まる。しまった罠だったか(笑)ボタンを押すと音楽が流れるのはよく見かけるが、近づくだけで流れるとか恐るべし。

 さて、まだまだ時間はあるけど、どこへ行こう。あまり遠くに行くと新幹線に乗り遅れそうだし、近くで何かないかな。そうだ、あの駅に行ってみよう。距離は往復で70km程度。問題なし。新青森のコインロッカーに荷物を置いて身軽になる。肩と腰とケツが楽だ。

 ガーミンの地図を見ながら適当に走ってたら、途中でミスコース。引き返すのも面倒なのでそのまま進むと、なぜか空港に出た。いや、今日は新幹線で帰るんだけど。予定のコースに復帰して、しばらく進むと見えてきた。あの巨大な遮光式土偶が。写真では何度も見たことがあるけど、実物は壮観だ。

 さて、帰るか。あまりのんびりもしていられないので、ガーミンに行き先を設定。残り35kmほど。日が傾く中をひたすら走る。出発まで1時間以上ある。余裕だったな。結局、今日も走行距離は202kmだったので、5日間で1000km以上は走った事になる。さすがに疲れた。今回も無事にパンクなどのトラブルなしに走り切れた。いつもありがとう、俺のCAAD7。東京行きの最終はやぶさで南へ向かう。自転車であんなにかかった道のりも新幹線だとすぐだ。呆気ない。でも、やっぱり何倍も時間がかかる分だけ自転車での旅は楽しい。