八戸へ

 北に向かって走り始めて、今日で4日目。そろそろ疲労で脚が回らなくなってきた。ここまでの走行距離は590km以上。ずいぶんと走ったなあ。

 釜石を出発したら、バイパスを避けて県道へ。新緑の中を走るのは気持ちが良い。若干のアップダウンも、まだ元気なので問題なし。海沿いの街は、まだまだ続く。自転車を止めて何もなくなった街を眺めていたら、通学中の中学生と目が合った。少しの間の後、挨拶された。この子達も被災者なのだろうか。

それにしてもトラックが多い。平日だからなのか、大型トラックがひっきりなしに通る。宅地造成や道路建設のためか。サイクリストにとっては、あまり楽しいものではないな。道路からは、たくさんの土の山が見える。もう、何十回こんな景色を見てきたのだろう。そして、この先何十回こんな景色が続くのだろう。改めて、東北の太平洋に面した街はどこも消滅してしまったというのを実感する。

 道は時折海沿いを離れて山の中へ向かう。景色はガラッと変わり、丘陵地には牧草地広がる。岩手県は酪農も盛んな場所なのを思い出した。海からほんの少し離れただけなのに、全然違う世界だ。それにしても、今日のコースはアップダウンが多いな。上りはインナーでのんびり進む。

 野田にある道の駅で遅めのランチ。変わったメニューがあったので頼んでみる。磯重、見た目はカツ重みたいだけど、具はホタテとウニ。確かに磯の香りがする。ウニの味は・・・ご想像に任せます(笑)ここで少し寄り道。山を越えて小袖へ。途中は結構なアップダウンがある。疲れた脚には厳しい道のり。土日祝日は一般車通行止めと書いてあったけど、確かに観光客が押し寄せたら大変な事になりそうな道だ。下った先に海女センターというのがあったので行ってみると、そこはあまちゃんのロケ地だった。せっかくなので、まめぶ汁を食べてみる。あれっ、普通に美味しい?疲れてたせいかな。

 岩礁が続く景色を眺めながら先へ進むと久慈。バイパスから旧道への分岐の交差点で信号待ちしてたら、小学生がたまにこっちを見ながら、次の信号へ向かって走って行った。なんだろうと思いつつ、信号が青になったので先に進むと、小学生が次の信号のボタン押すのと同時にこちらも交差点を通過。そういうことか。と思いながら、俺の勝ち、相手を見て走り去る(笑)

 さて、ここから今日の目的地までは50kmちょっと。まだまだあるな。ケツ痛いし、回す脚も残ってないけど、我慢して先に進む。気がつくと、前方には太陽が。よし、夕日に向かって突き進め。最後は下り基調だったので、なんとか目的地の八戸へたどり着けた。走行距離は209kmくらいだけど、たぶん3000mくらいは上ってるはず。明日は青森まで行き、新幹線で帰るだけ。あと少し。