SACDで聴くAja

 すでにリマスター版のCDを持っているのに思わず買ってしまったSACD版。しかも4,500円という、どう考えても熱狂的なファン以外買わないだろ、という値段設定。あまりの高さに少しだけ躊躇したが、やっぱり買ってしまった。

 Ajaは今さら説明するまでもない、Steely Danの名作だ。タイトル曲のAjaにはなんとWayne Shorterも参加しているという超豪華アルバムだが、その内容の素晴らしさについて語るのは止めておき、SACDになった音質についてのみ書きたい。再生した途端に出てくるのは暖かみのあるアナログっぽい音。リマスター版CDのメリハリある音とは傾向がちょっと違う。違うマスターから違うエンジニアがリマスターしているからだろう。そういえば、あのノイズもなくなっている。とにかく音の情報量が全く違う。CDで聴くといろんな楽器の音が混じった音がするが、SACDだとそれぞれの楽器の音が聞こえてくる。バシャバシャ鳴っていただけのシンバルも、余韻まで分かるほど美しい。

 ここまで違うと、正直買って良かったと思える。印象が変わるほどの違いはないけど、SACDで聴く方が圧倒的に心地よい。すでにCDを持っている人にも薦められる1枚。SACDの再生出来るプレーヤーを持っている人なら買って損はない。

彩(エイジャ)

彩(エイジャ)