PAT METHENY GROUP at BLUE NOTE TOKYO

 なんて書いたらいいのだろう。言葉が見つからない。とにかく素晴らしかった。

 オープニングは"HAVE YOU HEARD"。ボーカルがない部分はどうするのだろうと思ったら、アントニオ・サンチェスがその分叩きまくり、盛り立てる。まさに最初から全開。
 次は"(IT'S JUST) TALK"。パーカッションやボーカルが入らないのでシンプルになるが、その分演奏は凄い。オリジナルのブラジル色は薄れているが、よりジャズらしい演奏になっているのはドラムスの影響か。
 3曲目の"GOODBYE"はオリジナルではナナ・ヴァスコンセロスのボーカルが印象的だった曲だが、美しいギターの音色が強調された演奏になっている。
 4曲目の"TELL IT ALL"はちょっと意外な選曲。ライル・メイズがパーカッションも兼ねていて忙しそう。ボーカル部分はスティーブ・ロドビーが弓で演奏して補っている。
 5曲目は"WHEN WE WERE FREE"でオリジナルでも4人で演奏している曲。パット・メセニーのギターソロが凄い。後半はギターシンセに持ち替えて一気に盛り上がる。
 6曲目は"THE ROAD TO YOU"で一転して静かな雰囲気に。パット・メセニーのギターが美しいフレーズを生み出していく。
 7曲目の"LAST TRAIN HOME"はやはり人気のある曲なので盛り上がる。淡々と叩き続けるアントニオ・サンチェスのドラミングが力強くて、オリジナルとは違う雰囲気も醸し出している。気がつくと、ボーカル部分に合わせて密かに歌っている自分に気がつく。よく見ると、スティーブ・ロドビーも口ずさんでいた。
 8曲目はなんと"SAN LORENZO"。スティーブ・ロドビーがエレクトリック・ベースに持ち替えてオリジナルに忠実なフレーズを弾いているのはちょっと新鮮な感じ。盛り上がりは最高潮に。
 パット・メセニーのMCが入った後はラストの曲。ドラムから始まった曲はやっぱり"LONE JACK"。そう、なぜだか、次の曲は分かっていた。そんな気がしたのだ。ドラムソロでついにカウベルが炸裂。きたきた!笑いが出てしまうくらいにもの凄い。曲が終わった後の鳴りやまぬ拍手。
 アンコールは"TRAVELS"。実は好きなんだよなあ、この曲。というわけで、しみじみと聞いて終了。

 観衆が良かったのか、ミュージシャンの調子が良かったのか、両方か、とにかく今まで効いたパット・メセニーのライブの中で一番素晴らしかったかしれない。