フルクラム・レーシング・ゼロ(Fulcrum Racing Zero)

 フルクラムのアルミリム採用の最高峰ホイール。何と言っても真っ赤なリムとスポークとハブが印象的。ただ、その強烈な色のためにフレームを選ぶかも。黒と赤のSystemSixにはよく似合っていると個人的には思う。
 フロントはラジアル組、リアはフリー側がタンジェント組、反対側はラジアル組でスポークの本数がフリー側が反対側の2倍というちょっと面白い組み方をしている。オチョコ量の大きいハブで左右のバランスを取るための工夫らしい。マビックはハブでオチョコ量を減らしているが、その分剛性は落ちるのだろう。
 さて、肝心の性能だが、これが素晴らしい。まず、剛性はかなり高い。乗り心地で選ぶホイールではない。その代わり、ダンシングで踏み込んだときにすごくよく進む。会津ヒルクライムでスタート時に軽くダンシングをしたら追い風の影響もあり47km/hまで一気に上がってしまい、本人が一番びっくりしたくらい。スピードの維持も非常に楽。一度のせたスピードはなかなか低下しない。この辺がマビックのキシリウムとの違いか。リムの重量も比較的軽めなので、ヒルクライムでも十分使える。上りで特別軽く感じる事はないが、ペダルを踏んだ力がロスなく推進力になってくれる感じ。このクラスの他のアルミリム採用ホイールと比べて劣る事はまずないと思う。もちろん、ブレーキの効きも良い。
 この見た目が気に入った人には間違いなく「買い」だが、もう少しお金を出すと安いカーボンリムのホイールが買えてしまう価格というのはちょっと普通の人には勧めづらい。ただ、アルミリム採用のホイールとしては最高峰の性能であることは間違いないと思う。