宗谷岬まで走りきって

 宗谷岬まで約1600kmの距離を走ってみて感じたことは、やはりツーリングは自分にとって自転車の原点だということ。それほど景色を楽しむ訳でもなく、ただ走るのが好きだということを再確認しただけのような気がする。でも、一人で自転車に乗って旅をすることでしか得られない人との出会いや優しさこそが、一番の収穫だった。世の中そんなに捨てたもんじゃないぞと。
 黒石温泉の旅館の主人から頂いたリンゴジュース、おいしかった。三厩で出会った日本一周をしていたサイクリストは無事に走りきったんだろうか。長万部の旅館の女将さん、せっかく弁当を作ってくれたのにバックに入らなくてごめん。体調が最低な状態で乗り込んだ千歳行きの飛行機、客室乗務員の笑顔で元気づけられた気がする。天塩川温泉で一緒になった家族は宗谷岬まで無事に走れたのだろうか。南稚内の旅館のおやじさん、キーホルダーありがとう。
 宗谷岬までの自転車ひとり旅だけど、様々な人のおかげで達成出来たようなものだ。